寝たきりの状態で過ごしている方や体が思うように動かない方は、下に落ちているものを拾ったり、遠くにあるものを取ったりすることが難しくなります。人にお願いして取ってもらうこともできますが、何度もお願いしにくく、遠慮してしまうものです。
特に日常生活の簡単な動作においては、自分自身でできることは自分で行おうと考えている方が多いのではないでしょうか。
そこで、今回は高齢者の方でも取り扱いが簡単な、介護用マジックハンドをご紹介いたします。

目次

介護用マジックハンド(リーチャー)とは

介護用マジックハンド(リーチャー)とは

マジックハンドは「人間の手に近い動作で、対象物を掴むことができる道具」です。また、リーチャーも同様に 「手の届かないところにある対象物を掴み、取る・近くに寄せることのできる道具」として使われています。マジックハンドとリーチャーともに、子どもがおもちゃとして使用する印象が強いですが、実は、介護を必要としている方・高齢者の方にもおすすめです。

介護用マジックハンド(リーチャー)のメリット

介護用マジックハンドは、介護を必要としている方や高齢者の方にとって、様々なメリットがあります。
ここでは、使用されることの多い4つの場面についてご紹介したいと思います。

① 遠い場所にあるものを取る
高齢者の方や手足が不自由な方の場合、腕を伸ばして対象物を取ったり、歩いて取りに行ったりすることは大変です。
このような場合、アーム部分が長いマジックハンドを使用すると、体が動かなくても、マジックハンドのハンドルを操作するだけで、簡単に対象物を取ることができます。また、床に落ちてしまった場合でも、しゃがまずに取ることができます。

② 高い場所にあるものを取る
高齢者の方の場合、脚立を使用して高い場所にある対象物を取ろうとする行為は、脚立から落ちて怪我してしまう可能性があるため、大変危険です。
こんな時、マジックハンドを使用すれば、無理に脚立に登らなくても簡単に対象物を取ることができます。
ただし、マジックハンドには、可動範囲や掴める重量限度があります。対象物を落とさない為にも、使用の制限は守るようにしましょう。

③ 隙間にあるものを取る
日常生活を送る中で、タンスと壁の狭い隙間に落としたものが拾えないという経験を一度はしたことがあるのではないでしょうか。
こんな時、形状が細く長いマジックハンドがあれば、タンスと壁の狭い隙間に落ちた対象物を取ることができます。マジックハンドには、対象物が掴みやすいように滑り止めの付いているものや磁石の付いているものが販売されています。伸縮できるタイプもあり、対象物までの距離に応じて長さを変えることもできます。
マジックハンドは、高齢者の方や介護を必要としている方でも、家具を動かさずに対象物を取ることができるため、おすすめです。

④ 靴下を履く
意外と知られていないのが、靴下を履く際に使用するということです。
高齢者の方や介護が必要な方は、関節を曲げ伸ばしする行為自体を大変に感じることが増えてくるため、ただ、靴下を履くという一瞬の動作が大変になってきます。
このような場合、マジックハンドを使用して靴下を掴めば、足を伸ばしたまま簡単に靴下を履くことができます。滑り止めのゴムが付いているマジックハンドであれば、靴下がずれにくく履きやすくなるため、おすすめです。

高齢者の方や介護を必要としている方の中には、家族や友人に助けてもらうことを躊躇してしまう方も多いと思います。
マジックハンドを使用することで、今まで無理をしていた場面で無理をしなくて済み、転倒などの怪我を防止することもできます。
なるべく自分自身でやれることはやりたいという方にとって、マジックハンドはお気に入りのマストアイテムになるのではないでしょうか。

介護用マジックハンド(リーチャー)を選ぶおすすめのポイント

持ち手部分が握りやすいもの

初めに、持ち手部分(グリップ)を確認しましょう。簡単に操作を行うためには、〝持ちやすさ〟〝力の入れやすさ〟が重要となります。
人は、年齢を重ねるとともに衰え、何もしていなければ段々と握力も弱くなっていきます。その為、握って使用する引き金部分はできるだけ幅が広いものを選び、少しの力でも引き金を握れるようにしましょう。また、引き金と持ち手の間隔が狭いものを選べば、握る際に大きく手を開かなくても握ることができます。手の動きを最小限に抑えて使用することができるため、購入前に確認してみてください。
力を入れやすく、手が滑らないように持ち手部分にゴムが付いているものも販売されているため、自分が使いやすい持ち手のものを選ぶようにしましょう

アームの長さで選ぶ

マジックハンドのアーム部分は、それぞれの商品によって長さが異なります。アームの長さを確認せずに購入してしまうと、実際にマジックハンドを使用したい時にアームが長すぎて扱いにくくなったり、アームが短すぎて対象物に届かなくなったりしてしまいます。どのような場面で使用したいかが決まっている場合には、あらかじめ使用するアームの長さを考えておくようにしてください。
身の回りの対象物を取る際に使用する方や、ある程度自力で移動ができる方は、40~50cm程度が良いと思います。
反対に、遠くにあるものや高いところにあるものを取りたい場合には、70cm以上のものを選ぶようにしましょう。
近くのものも遠くのものも取りたいという方には、アーム部分を伸縮できるタイプがおすすめです。ただし、力を入れなければ長さを調整できないマジックハンドもあるため、弱い力でも簡単に伸縮できるかできないか、確認するようにしましょう。
また、最近では、便利な折りたたみ式タイプのマジックハンドも販売されています。移動時に持ち運びたいという方は、一度、検討してみてください。

掴む部分の特徴に注目

マジックハンドの対象物を掴む部分には、さまざまな特徴があります。使用する状況を考えて、選ぶようにしましょう。

ゴムタイプ
サイズの小さいものや、薄いもの、プラスチック製品などの滑りやすい対象物を掴みたい場合は、掴む部分がゴムになっているものを選びましょう。ゴムが付いているものは、滑り止めの効果もあるため、小さい対象物でも落ちにくくなります。
より滑りにくいマジックハンドを探しているのであれば、ゴムの範囲が広いものや凹凸があるもの、吸盤が付いているものがおすすめです。

・磁石タイプ
磁石の付いているマジックハンドは、クリップなど金属を取りたいときにおすすめです。重さが多少ある対象物でも、磁石でくっつけながら掴んで持つことができるため、掴んだ際に安定感があります。
マジックハンドによっては、掴む部分ではなく、持ち手部分に磁石の付いているものもあるため、磁石付きのマジックハンドを購入する際には、どこに磁石が付いているのかをきちんと確認するようにしましょう。

・フックタイプ
フックタイプは、その名の通り、主に、通常のマジックハンドの形状の先にフックが付いており、ただ掴むだけではなく、フックに対象物を引っかけて取ることができます。(例えば、衣類やタオルなど)
このフックは、ティッシュや携帯電話などを引き寄せるのにも便利です。

自分の持てる重さか確認

マジックハンドは手に持って使用するため、自分が持つことのできる重さのものを選ぶようにしましょう。
介護を必要としている方・高齢者の方の場合、多少の重さの違いでも、腕に負担をかける可能性があります。
中でも、アーム部分の長いマジックハンドや、性能の良いマジックハンドは、購入前に重さを確認してみてください。
握力に自信のない方でも簡単に使用することのできる重さの目安は、約150gです。アームの短いマジックハンドでは、120g程度のものも販売されています。
また、手首への負担が気になる方は、アームが回転するマジックハンドを選んでみてください。アームが回転するマジックハンドは、先端の掴む部分の向きを変えることができるため、手首を無理にひねる必要もなく簡単に対象物を掴むことができます。
回転する角度も様々で、回転できる角度が大きければ大きいほど、対象物を掴みやすくなります。360°回転するものもあるため、確認してみてください。

どれくらいの重さまで耐えられるか

物を掴むことができても、マジックハンドが耐えられない重さの物を持ちあげることはできません。無理に持ち上げることで壊れてしまう可能性もあります。
選ぶ際には、マジックハンドの耐えられる重さを確認しておきましょう。
マジックハンドの耐荷重は様々で、主に1.5kg~4kgまでが一般的です。靴下やティッシュなど比較的軽いものを掴む際に使用するのか、携帯電話やカバンなど重さのあるものを掴む際に使用するのか、掴む機会の多い対象物に合わせて購入しましょう。

介護用マジックハンド(リーチャー)のおすすめ人気ランキング10選

第10位 Nuovoware お助け万能ロングハンド

価格 2,099円
長さ 83cm
重量 250g

商品の特徴
使用しない時は場所をとらずに保管でき、持ち運ぶことも可能な折り畳み式のマジックハンドです。掴む部分は360°回転するため、手首への負担に悩んでいる方におすすめです。また、長さは83cmと長めのため、高いところや遠いところにあるものでも、無理のない範囲で取ることができます。

第9位 TOY BOX カラフルアイアンハンド

価格 1,320円
長さ 61.5cm
重量 約200g

商品の特徴
おもちゃのような可愛い見た目ですが、とても人気なマジックハンドです。紙など掴みにくいものでも簡単に掴むことができる秘密は、掴む部分に付いているゴムです。長さもあるため、遠くに落ちてしまったものでも簡単に拾うことができます。カラフルなカラーで使用するのも楽しくなりそうなマジックハンドです

第8位 AIJ 楽らくハンド ショートタイプ

価格 4,180円
長さ 55cm
重量 150g

商品の特徴
薬などの細かいものから、ペットボトルやリモコンなど約1kgまでのものを掴むことができます。掴む部分は360°回転するため手首への負担は少なく、握力が弱い方でも掴むことができます。ショートタイプは肩幅ほどの長さのため、座って過ごすことの多い方におすすめで、片方の手で受け取ることができます。

第7位 全家協 つかみ棒

価格 324円
長さ 83cm
重量 135g

商品の特徴
介護補助グッズとして人気の高いマジックハンドで、長さは80cmあるため、少し遠いところでも簡単に掴むことができます。掴む部分はゴム素材が使用されているため、薄い紙など掴みにくいものでもしっかりと掴んでくれます。
丈夫で長持ちするように作られているため、使用を始めてすぐに壊れてしまう心配もありません。

第6位 TOY BOX らくらくハンドmini

価格 935円
長さ 40cm
重量 約100g

商品の特徴
名前の通り、40cmのミニサイズのマジックハンドです。ミニサイズのため持ち運びも簡単で、近くの手を伸ばすだけでは届かないものを取るために、大活躍します。開閉時の音は静かなので、音を気にして使用できない場
面でも気にせず使用することができます。カラーも目に優しい色でとても落ち着けるはずです。

第5位 アンツ マジックリーチャー お助けハンド・ショート

価格 2,916円
長さ 45cm
重量 117g

商品の特徴
アルミシャフトを採用しており軽量化を、また、ハンドル部やハンド部には自動車の部品としても使われることの多い、プラスチックを使用することで丈夫な仕様となっています。掴む部分は360°に回転するため手首を無理に動かす必要もなく、ハンドル部分に付いている磁石を使用することで、クリップやピンなど金属をキャッチすることができます。

第4位 アンツ マジックリーチャー お助けハンド・ロング

価格 3,078円
長さ 70cm
重量 137g

商品の特徴
5位でご紹介したマジックハンドの長さ違いです。持ち手部分が大きいため握りやすく、先端にはゴムが付いているため細かいものや滑りやすいものを掴んでも、落とす心配がありません。また、細いので家具の後ろやベッドの下など狭い部分でも簡単に入ることができる、便利なマジックハンドです。

第3位 TOY BOX らくらくハンド

価格 1,320円
長さ 61.5mm
重量 200g

商品の特徴
6位でご紹介したマジックハンドのサイズ違いになります。こちらは長さがあるため、少し遠くにあるものでも簡単に掴むことができます。また、ミニサイズと同様、開閉時の音も少なく使用時のストレスも少なくなります。カラーは全部で3種類あり、どれも派手過ぎず優しい色合いなので人気があります。

第2位 AIJ 楽らくハンド ロングタイプ

価格 4,180円
長さ 70cm
重量 160g

商品の特徴
8位でご紹介したマジックハンドのロングタイプとなります。ロングタイプがおすすめの方は、腰が曲がりにくく下に落ちたものを拾えない方、肩から上に腕が上がらない方です。約腕一本分の長さがあるため、高いところから床に落ちているものまで、しっかりと掴んで持つことができます。フックとしても使用することが可能です。

第1位 イーサプライ マジックハンド

価格 2,178円
長さ 75cm
重量 160g

商品の特徴
75cmとロングタイプのマジックハンドのため、上に置いてあるものや家具の隙間に落ちているものを、簡単に拾うことができます。掴む部分はゴムになっているため、丸いものや薄いものなど掴みにくいものも無理なく掴めます。磁石が付いているため、金属製のものも簡単に取れますし、何かを押す、引き寄せるなど、様々な使用方法があります。

介護用マジックハンド(リーチャー)を購入する際の注意点

価格による違いに注目

介護用マジックハンドを選ぶなら、少しでも安くて良いものを購入したいと考えている方もいるのではないでしょうか。
マジックハンドは、100円ショップで販売されている安価なものから、機能が充実している少し高価なものまで、幅広い価格で販売されています。
しかし、安いマジックハンドは、価格を抑えるために作りが簡易的になっている場合があり、掴む部分の先端が左右でずれている・隙間がある、使用しているとすぐに壊れてしまうという問題が起こることがあります。
そのため、長期的に使用を考えている方の場合は、何度も買い直す手間を省くため、少し高価でも丈夫なマジックハンド選んでみてください。

おもちゃとして販売されているマジックハンド

Toy colored plastic cars in the children’s store

介護用マジックハンドだけではなく、子ども用のおもちゃとしてもマジックハンドは多数販売されています。 皆さんの中には、おもちゃとしてのマジックハンドを介護用マジックハンドとして、代用することができるのではないかと考えている方もいるのではないでしょうか。
しかし、おもちゃとして発売されているマジックハンドは、子どもが使用することを考えて作られているため、怪我をしないように掴む力は強くならないようになっています。また、狭い場所にある対象物を取るのは難しく、長さもそこまで長く作られていません。
そのため、おもちゃを代用するのではなく、専用のマジックハンドを購入するようにしましょう。

マジックハンドの購入場所

マジックハンドは、100円ショップで販売されているものから、ホームセンターやインテリアショップ、またインターネットでも購入することが可能です。
直接店頭へ行って購入する場合は、実際に手に取って試すことができるため、使用感なども知ることができます。
介護を必要としていて、自由に動くことができないという場合や、高齢であまり外出はできないという場合は、
インターネットで購入も可能です。ただし、実際に試すことはできないため口コミを参考にするようにしましょう。

まとめ

今回は、高齢者におすすめのマジックハンドについてご紹介させていただきましたが、いかがでしたか。

手先が不自由になることで何度も物を落としてしまい、その都度、人に助けてもらうことに負い目を感じている方、リハビリも兼ねて身の回りのことは自分自身で行いたいと考えている方にとって、マジックハンドは生活必需品です。
この機会に、一つ購入してみてはいかがでしょうか。

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