〝会話〟と〝日常生活〟は、 切っても切れない関係にあります。〝会話〟は、 自分が話すだけではなく、相手の話も聞くことで成立します。 しかし、 相手の声が聞こえにくくなってしまうと、 会話が続かない原因となり、 相手に不快感を与えてしまう可能性があります。
そこで今回は、 音が聞き取りにくいと感じる方のために補聴器についてご紹介したいと思います。 補聴器に良い印象がないという方もいらっしゃるかもしれませんが、 補聴器は年々進化しており、 最近では様々な機能のある補聴器も発売されています。 ぜひご覧ください。

目次

高齢者の方に補聴器を勧める理由

高齢者の難聴の原因

難聴とは、 一般的に音が聞こえにくい状態のことを表します。 難聴にも種類はありますが、 高齢者に多い加齢による難聴は、「加齢性難聴」 「老人性難聴」 「老年性難聴」 と呼ばれています。

初めに、 難聴の原因を理解するためにも、 「音の聞こえる仕組み」 についてご説明したいと思います。
音は、 耳たぶ (耳介) でキャッチされ外耳道を通り、 鼓膜を振動させ、 空洞である中耳腔の奥の蝸牛に伝わります。 鼓膜と蝸牛の間は、 耳小骨という 3 つの小さい骨 ( ツチ骨、 キヌタ骨、 アブミ骨 ) で結ばれており、 この骨は鼓膜の振動を蝸牛へ伝える働きを持っています。 内耳の蝸牛に伝わった振動は、 蝸牛内にあるリンパ液とそこに生えている有毛細胞を揺らし、 揺れにより刺激を受けた有毛細胞は神経伝達物質を放出することによって振動を電気信号へと変換します。 この電気信号は神経へ伝わり、 そして脳へと伝えられます。

しかし、 蝸牛内の有毛細胞が減少していると、 音の振動を判断することが難しくなります。 音の情報が完全ではないまま神経へ伝わると、 音は感じ取りづらくなるのです。
有毛細胞が減少する要因には、 加齢によって細胞が老化することの他に、 大きな音によって細胞が傷つくことがあげられます。有毛細胞がある蝸牛は、 高音域の音を入口周辺で、 低音域の音を出口周辺で拾っています。 特に音の高低に関わらず振動を受け続ける蝸牛入口周辺の有毛細胞は、 音が頻繁に入ることで傷つきやすくなり、 出口周辺の有毛細胞と比較すると先に減少していきます。

高齢者の難聴の特徴

高齢者の音の聞こえ方は、 健常者にはない特徴があります。
ここでは、 この特徴についてご説明していきたいと思います。

◆「高音が聞こえず、 聞き間違いが増える」
高齢者の方は、 目覚まし時計や電話の呼び出し音など、 高音域の音が聞こえにくいという特徴があります。 これは、 先ほどご説明した通り、 蝸牛の入口周辺にある高音域の音を拾う有毛細胞が減少することによって、 高音域が聞き取りにくくなっていると考えられます。

さらに、 高音域が聞き取りにくくなると、 聞き間違いも増えます。 これは、 「サ行」 や 「タ行」、 「カ行」 や 「ハ行」 など、 高音域に該当する子音が影響しています。

例えば、 「千葉」 と 「滋賀」、 「拍手」 と 「握手」 は母音が同じため、 子音で区別しなくてはなりませんが、 高音域である子音が聞き取れなければ、 区別が難しくなります。 「拍手」 と 「握手」 を聞き間違えてしまうと、 本来握手をすべきところで、 拍手をしてしまう可能性もあるということです。

◆「小さい音は聞こえにくく、 大きい音はうるさく感じる」
小さい音が聞こえにくいと感じ始めると、 必然と音を大きくして聞こえやすくしようとします。 音を大きくすることで、 聞き取りやすくなれば問題ありませんが、 うるさく感じることがあります。 これは、 聞き取りが可能な最小の音と、 不快に感じることのない最大の音との幅 (ダイナミックレンジ) が、 難聴の方の場合、 狭いからです。

例えば、 健聴者が聞こえる最も小さな音を 「1」 とし、 反対にうるさく聞こえる音を 「10」 とします。 健聴者の方の場合、1 から少しずつ音量を上げていくと、 10 段階を経てうるさいと感じることができます。

加齢性難聴の方は、 健聴者が最初に聞こえる小さな音は聞き取りにくいため、 仮に聞こえ始める音が 「4」 だとしても、 健聴者と同様に 「10」 でうるさく感じます。 しかし、 難聴者は 6 段階進んだ時点で 「10」 の音量に達してしまうため、 健聴者と同じ大きな音を聞いているのにもかかわらず、 突然うるさくなったと感じてしまうのです。

◆「音は聞こえるが、 何を言っているか判断しにくい」
有毛細胞の減少によって、 音が鳴っていることに気づいても、 それが何の音なのかを判断することができなくなることがあります。なぜなら、 減少した有毛細胞で判断を行うことで、 音の明瞭度が下がり、 音がぼやけてしまうため、 判断できなくなってしまうからです。

また、 音を判断できなくなるもう一つの原因が、 脳の言語能力の低下です。 健聴者の場合、 脳が音を記憶し、 脳内の引き出しに保管をしています。 音が耳へ届くと、 脳内の引き出しに保管していた、 過去に聞いたことのある音と照合し、 耳から届いた音がどのような音なのかを判断します。

一方、 加齢性難聴の場合、 音が聞こえにくくなることにより、 脳内に入りにくくなり、 脳内の引き出しの数が減少していきます。脳内の引き出しの数が減少すると、 耳から入ってきた音を過去の音と照合することができなくなり、 音は聞こえていても何の音かを判断することができなくなってしまいます。

補聴器を使用すれば、 高音域が聞こえにくい方は、 聞こえる音域まで音を下げることが可能になりますし、 小さい音は聞こえにくく、 大きい音はうるさく感じるという方は、 1 から 10 までの音を自分の聞こえる範囲に合わせて圧縮することができ、 丁度良い音量で音を聞くことができます。 さらに、 音が聞こえるが、 何を言っているか判断しにくい方は、 音を何度も聞き続けているうちに、 脳内の引き出しを増やすことができ、 脳が音を判断できるようになります。

認知症の予防

難聴は、 音の刺激や脳に伝わる情報量の減少、 脳の萎縮、 神経細胞の劣化、 最終的に認知症へ繋がる可能性があります。 これは、 平成 27 年 1 月 27 日に厚生労働省によって発表された、 認知症施策推進総合戦略 (新オレンジプラン)にも、 掲載されています。認知症の危険因子として、 加齢 ・ 遺伝性 ・ 高血圧 ・ 糖尿病 ・ 喫煙 ・ 頭部外傷の他に、 難聴も挙げられています。
認知症を防ぐためには、 「難聴を改善すること」 つまり、 補聴器の使用が重要になります。

補聴器を選ぶおすすめのポイント

聴力レベルに合わせる

Hand turning the volume knob of an amplifier up to the maximum, Concept image for noisy environment or hearing problems

聴力は人それぞれ異なりますので、 自分の聴力レベルに合った補聴器を選ぶことが大切です。 最初に聴力レベルについて、難聴程度 ・ 平均聴力 (dB) ・ 自覚の順番でご紹介いたします。 平均聴力の単位 「dB」 はデシベルと読み、 音の大きさを表す単位です。 数字が大きければ大きな音、 小さければ小さな音を表します。

正常0 ~ 24dB  日常生活を特に支障なく送ることができる
軽度難聴25 ~ 39dB 1m 離れていても聞き取りと復唱ができる、 小さい音や騒音下での会話が聞こえにくい
中等度難聴40 ~ 59dB 1m 離れていても大きな声であれば聞き取りと復唱ができる、 普通の会話は聞こえにくい
高度難聴60 ~ 79dB 耳元で聞いた大きな声は部分的に聞き取ることができる
重度難聴80dB ~  耳元で聞いた大きな声も聞こえず、 ほとんど声や音が聞こえない

形状を確認する

補聴器には様々な形状のものがあり、 聞こえ方や使用頻度などによって、 おすすめの補聴器は異なります。 ここでは、形状による補聴器の違いについてご紹介していきます。

1.耳穴タイプ
耳の中に直接入れて使用する補聴器です。 大きさは、 耳の穴にしっかりと収まるものもあれば、 耳の穴から少しはみ出るように作られているものもあります。
補聴器の種類の中でも、 最も一般的で目立ちにくいとされており、 肌に馴染みやすいように肌色になっているものが多く販売されています。 耳の穴の形に合わせて作られる、 オーダーメイドのタイプもあります。 音を集める役割のある耳介近くに装着するため、 聞こえ方や方向感覚はとても自然に感じられます。 本体には、 装着時に便利なつまみもあるため、 付け外しも簡単に行えます。

しかし、 小型である本体は、 操作ボタンが押しにくく、 また、 バッテリーの持ちも良いとは言えないため、 こまめに電池交換や充電を行わなければなりません。 目立ちにくく小さいサイズの補聴器だからこそ、 落としたり忘れてしまうこともあるので、 注意が必要です。
耳穴タイプが対応できる難聴レベルは、 基本的に軽度~重度に対応しています。

2.耳かけタイプ
眼鏡をかけるように耳にかけて、 使用します。 本体は耳の裏に位置し、 耳の穴まで細い透明なチューブが繋がっています。耳の裏に本体を装着する必要があるため、 最初は手間取ってしまうこともあり、 慣れが必要とされています。 現在、 耳かけタイプは、 日本国内に流通している補聴器の 6 割以上を占めると言われており、 多くの方に使用されています。

耳かけタイプの補聴器の場合、 本体にスペースがあるため、 そのスペースに部品を組むことによって、 様々な機能を備えることができます。 また、 音質の改善や雑音の抑制など音の調整機能、 スマートフォンなど外部機器との接続が可能な補聴器もあります。 この他にも、 電池交換の負担を減らすことができる充電式タイプや周囲の環境によって自動的に音を切り替えるタイプなど、 高性能であるほど高価にはなりますが、 手間がかからない扱いやすい補聴器も販売されています。 従来の耳かけタイプの補聴器は、 汗に弱いことや目立つことが短所とされていましたが、 最近では防水防塵の補聴器や、 目立ちにくい補聴器も登場しています。

ただし、 耳かけタイプの補聴器は、 眼鏡をかけている方、 仕事などでやむを得ず帽子ヘルメットを被る必要のある方には不向きです。
難聴レベルは、 軽度~重度に対応しています。

3.ポケットタイプ
小型ラジオのような箱型の形状で、 本体は胸ポケットに入れるか、 紐で首からぶら下げておくことができます。 本体とイヤホンはコードで繋がれており、 片耳で音を聞くことが一般的とされています。

一般的な補聴器は、 空気亜鉛電池と呼ばれる豆電池を使用していますが、 ポケットタイプの補聴器は、 単三 ・ 単四の乾電池を使用します。 電池サイズが大きいため、 電池交換に手間がかかりません。 また、 空気亜鉛電池に比べて、 スーパーやコンビニで簡単に購入することもできます。 本体には大きなスイッチが付いており、 補聴器の中でも操作がしやすいとされています。 聞き取りにくいと感じた時は、 相手の口にマイクを近付け、 騒音の中でも聞き取りやすくするなど、 様々な場面で状況に応じて使用することができます。

ただし、 イヤホンと本体がコードで繋がれているため、 邪魔に感じることもあります。 常に使用していたいという場合、 動きが制限されることもあり、 あまり向いていません。 衣服が擦れる音も拾ってしまうので、 動きが多く使用頻度の高い方は不便を感じる可能性があります。
難聴レベルは、 中等度~高度に対応しています。

4.眼鏡一体タイプ
名前の通り、 眼鏡と補聴器が一体となっているタイプです。 装着し、 頭蓋骨を直接振動させることで、 音を伝えることができます。
普段日常的に眼鏡を使用しているという方に人気で、 補聴器と眼鏡を別々に使用していると、 どちらも調整が必要になりますが、 眼鏡一体タイプの補聴器であれば一度で済ませることができます。 耳を塞ぐことなく補聴器を使用することができるので、 耳のムレも気になりません。 見た目は普通の眼鏡なので、 補聴器を使用していることも分かりにくく、 補聴器の使用を隠している ・ 隠したい方にもおすすめです。

大きな音を出すことができないため、 難聴のレベルが高い方にはあまり向いていません。
難聴レベルは、 軽度~中等度難聴に対応しています。

・両耳タイプ
補聴器には、 片耳のみに使用するものと、 両耳に使用するものがあります。 片耳だけの使用でも、 十分に聞こえるのであれば問題はないのですが、 聞こえにくさを感じる方には両耳タイプがおすすめです。 両耳に補聴器を使用することによって、音の聞こえてくる方向も分かりやすくなり、 自然な聞こえ方が実現します。 もちろん、 使用する方の好みによって選ぶのですが、 片耳だけの使用で違和感のある方は、 両耳タイプがおすすめです。

補聴器の様々な機能

補聴器には、 ただ音を調整して聞き取りやすくするだけではなく、 補聴器の使用をより便利にするための機能が付いているものがあります。 頻繁に補聴器を使用する方や、 1 回の使用時間が長いという方は、 機能をしっかりと見極めて選ぶと、 より快適に毎日を過ごすことができます。

例えば、 自動調整機能のある補聴器であれば、 周りの環境に合わせて音量を自動で調整することが可能です。 周りの音がうるさくて会話が聞き取れないという状況の場合には、 雑音除去機能を使用することで、 よりストレスなく会話を楽しむことができます。
補聴器を使用中のストレスを少しでも軽減させるためにも、 補聴器の機能について比較をしながら選ぶことが大切です。

予算に合わせて選ぶ

補聴器は安いものから高いものまで価格に幅があり、 それぞれ異なります。 高価な補聴器を使用することが、 一番だと考えてしまうかもしれません。 価格が高くなればなるほど、 その分機能が充実していますが、 高価な補聴器が必ず自分の耳に合うということではありません。 使用頻度や状況にもよりますし、 先ほどご紹介した通り形も様々なので好みもあります。 無理をして高価な補聴器を購入するよりも、 予算の範囲内で購入できる補聴器を比較して、 好みの補聴器を見つけることが大切になります。

また、 補聴器の寿命は 5 年程度と言われています。 つまり、 5 年後には壊れてしまい、 使用できなくなる可能性もあるため、補聴器が壊れた時に、 買い替えることができる価格を基準に予算を決めましょう。
あまり外出はせず、 家でゆっくり過ごし、 補聴器の使用も少ないという方であれば、 予算は低く設定して良いと思います。
反対に、 外出が多く使用頻度が高い方は、 少し高価で機能を重視してみるのもおすすめです。

補聴器のおすすめ人気ランキング 9 選

第9位 リオネット ポケット型デジタル補聴器 HD-70

価格 45,000 円
適応難聴 軽度~高度(40 ~ 85dBHL)
電池 単 4 形アルカリ乾電池

商品の特徴
高い品質を提供するために、 国内生産にこだわっている補聴器です。 ポケット型の補聴器のため、 操作のしやすいスイッチ付きで、 ボリュームの変更も簡単にできます。 また、 ボリュームロックも付いているので、 ポケットの中で急に音量が変わってしまうなど、 トラブルも避けることができます。また、 電池の寿命は約 1300 時間と 1 度の電池交換で長く使用できます。

第8位 Panasonic ポケット型 WH-A27

価格 78,000 円
適応難聴 高度~重度(70 ~ 110dB)
電池 単 3 形乾電池

商品の特徴
高度~重度難聴の方向けの補聴器になります。 こちらもポケット型の補聴器ですが、 対象が重度難聴の方でも、 問題なく使用できるものになっており、 ポケット型を使用したい重度難聴の方にもおすすめです。 音量ダイヤルやスイッチも大きく見やすいため、 とても扱いやすい補聴器です。 また、 下向きストラップで異物混入を防ぐこともできます。

第7位 リサウンド リサウンド・マッチ MA3T80-V

価格 58,000 円
適応難聴 中等度~高度
電池 空気電池 PR48(13)

商品の特徴
耳かけタイプの補聴器で、 80 タイプは中等度~高度難聴の方におすすめです。 補聴器に多いハウリングが起こりやすい周波数帯に、 フィルタを設定することで、 ハウリングを減少することができます。 また、 雑音と音声を区別して雑音のみを抑制する機能もあるため、 より聞き取りやすく感じることができる、 補聴器です。

第6位 オムロン デジタル式補聴器 AK-22

価格 29,800 円
適応難聴
電池 単 4 形アルカリ乾電池

商品の特徴
聴こえやすさと使いやすさにこだわって作られた補聴器になります。 ハウリングキャンセラー機能を搭載しているため、 電話中に起こりやすいハウリングをカットすることができます。 また、 ノイズリダクション機能も搭載しており、 周囲の雑音を軽減することもできる補聴器となっています。 イヤホンとマイクは一体化しているため、 衣服に擦れた音も低減されています。

第5位 リサウンド リサウンド・マッチ MA3T70-V

価格 58,000 円
適応難聴 軽度~高度
電池 空気電池 PR48(13)

商品の特徴
ハウリング抑制と雑音抑制に対応している耳かけタイプの補聴器です。 また、 ボリューム調整は 4 段階に分かれており、 自分のいる周囲の環境に合わせて選ぶことで、 より聞き取りやすくなります。 色はベージュなので、髪の毛で隠すことで目立ちにくくすることもでき、 補聴器の使用を内緒にしたい方におすすめです。

第4位 ニコン・エシロール 耳穴型補聴器 NEF-05

価格 19,800 円
適応難聴 軽度
電池 無水銀空気電池

商品の特徴
軽度難聴で悩んでいる方に、 おすすめの耳穴タイプの補聴器です。 日本人の肌の色に合うように作られているため、 しっかりと見ないと補聴器を使用しているか分かりにくくなっています。 また、 日本語に多い低い周波数帯の音にも対応しているため、 日本人の方であればかなり聞き取りやすいと、 感じることのできる補聴器になります。

第3位 シバントス株式会社 デジタル補聴器 デジミミ 3 右耳用

価格 25,800 円
適応難聴 軽度~中等度
電池 空気電池 PR41(312)

商品の特徴
補聴器の先進国であるドイツで誕生した、 耳穴タイプのデジタル補聴器になります。 耳穴にしっかりと入り、 目立ちにくいのはもちろん、 中等度難聴の方までなら対応しています。 また、 音量の切り替え時や電池の交換時には、 音で合図をしてくれるので安心です。 右耳専用なので、 装着も耳にあわせてしっかりとフィットしてくれます。

第2位 オムロン デジタル式補聴器 イヤメイトデジタル AK-10

価格 29,800 円
適応難聴 軽度
電池 空気電池 PR41

商品の特徴
補聴器を付けたまま受話器を当てると、 ハウリングが起こりやすいのですが、 この補聴器には 「ハウリングキャンセル機能」 が搭載されており、ハウリングの発生を抑えることができます。 また、 大音量クリア機能によ って、 音割れを低減させ、 ひずみにくく鮮明な音の実現が成功しました。軽度難聴の方にはおすすめの補聴器です。

第1位 オムロン デジタル式補聴器 イヤメイトデジタル AK-15

価格 39,800 円
適応難聴 軽度
電池 空気電池 PR-41

商品の特徴
日常生活を送る中で、 どうしても入ってきてしまうのが騒音です。 例えば、エアコンや換気扇のように一定に持続し続ける動作音に対して、 ノイズキ ャンセル機能が働くことで、 耳への入力を抑制してくれます。 また、 電池の交換時期には、 電池交換をアラームで教えてくれるので、 とても便利です。

補聴器の使い方

closeup of blue cotton swabs on bath towel texture

補聴器は精密機器です。 ほんの少しの耳垢が原因で、 補聴器の機能に影響を及ぼしてしまう可能性があります。 少しでも長く補聴器を使い続けるためにも、 補聴器に耳垢などの汚れが付いていないか、 こまめにお手入れをしましょう。

しかし、 単純にお手入れをすると言っても、 補聴器のタイプによってお手入れ方法は様々です。 どの補聴器でも共通しているのは、 水で洗わないということです。 最初にご紹介した通り、 補聴器は精密機器のため、 水で洗うことで壊れてしまう可能性があります。 汚れてしまった場合や、 万が一水で濡れてしまった場合には、 必ず乾いた布などを使用して拭き取りましょう。

また、 マイク部分のお手入れには、 きれいな乾いた布を使用しましょう。 他の部分をお手入れした際の耳垢などの汚れが付いた布は、 マイクにそれらが落ちてしまう可能性があるため、 おすすめしません。
それでは、 タイプ別の補聴器のお手入れ方法についてご紹介していきます。

・耳穴タイプ
耳穴タイプの補聴器の場合、 耳穴に直接入れるため、 耳垢などが付着しやすくなります。 まずは、 音の入口 ・ 出口部分に付着している、 耳垢や汚れを専用のブラシや綿棒などを使用して、 お手入れをします。 汚れたままにしていると、 補聴器の機能に影響を与えるだけではなく、 故障の原因になります。 マイク部分にも耳垢や汚れが付着していることがあるので、 点検 ・ 除去を行います。
冬は外気との温度差もあり、 補聴器の内部で結露を起こしてしまうことがあります。 音が出なくなってしまう可能性があるため、 乾燥ケースに入れて、 補聴器を乾燥させるようにしましょう。

・耳かけタイプ
補聴器本体をお手入れする際には、 柔らかい乾いた布などで汚れを拭き取りましょう。 補聴器は水に弱く、 特に夏は、汗が補聴器に付着することで、 故障の原因になることがあります。 故障を防ぐためにも、 こまめに拭き取ることを忘れないようにしましょう。

また、 耳かけタイプの補聴器は、 耳裏にある本体と、 耳に入れる耳栓部分までをつなぐ、 ジョイント部分があります。 ジョイント部分には、 スリムチューブ ・ チューブ付きジョイントなど、 チューブが使用されていることが多く、 このチューブ部分に水滴や汚れが溜まってしまうことがあります。 そのまま使用すると、 チューブ内で音の通り道を塞いでしまう可能性があるため、 水滴はティッシュなどを使用して吸い出し、 ゴミをしっかりと落としましょう。

耳に入れるイヤーモールドや耳栓も、 耳垢や汚れが溜まっていないか、 定期的に確認をし、 気になる部分はきれいに拭き取りましょう。 イヤーモールドと耳栓は、 時々取り外して、 中性洗剤を少量入れた水で、 しっかりと洗浄してください。 洗浄後はすぐに補聴器本体に接続するのではなく、 しっかりと乾いてから接続しましょう。

・ポケットタイプ
ポケットタイプの補聴器は、 耳栓 ・ イヤーモールドに耳垢や汚れが付着していないか、 確認をします。 耳かけタイプの補聴器と同様に、 耳栓 ・ イヤーモールドは、 取り外しが可能です。 取り外した部分は水洗いを行い、 しっかり乾かしてから取り付けてください。

本体のマイク部分にも、 汚れやほこりが付着している可能性があります。 その場合には、 ブラシなどを使用して、 きれいに落としましょう。 また、 コード部分がねじれていないか、 断線していないかの確認をしましょう。

・眼鏡一体タイプ
普通の眼鏡であれば、 水洗いをする方も多いはずです。
しかし、 補聴器と眼鏡が一体となっているタイプに関しては、 水洗いはしないでください。 また、 眼鏡一体タイプの補聴器は、骨伝導で音を伝えるものなので、 耳垢をとる必要はないですが、 耳にかける部分の汚れや、 レンズなどを定期的にお手入れしましょう。

以上が、 タイプ別のお手入れ方法となります。

補聴器にとって湿気は敵です。 補聴器を使用しない時には、 必ず乾燥ケースに入れて保管をする必要があります。 乾燥ケ ースの中に入っている乾燥材 (シリカゲル等) にも、 使用期限はあります。 この期限が切れている乾燥材を使用していても、効果がないため乾燥材の期限の確認をし、 期限が切れそうになったら交換しましょう。

ただし、 補聴器に使用することの多い空気亜鉛電池は、 補聴器本体とは違い、 乾燥に弱い電池です。 電池を少しでも長持ちさせたい場合は、 補聴器を乾燥ケースに入れて保管する前に、 空気亜鉛電池を補聴器から取り出すことを忘れないでください。
最後に、 お手入れも大切ですが、 補聴器を汚れにくくすることも大切なため、 こまめに耳の中を掃除することも忘れないようにしましょう。

電池交換方法

電池交換は、 電池のもちにもよりますが、 おおよそ二週間に一度の頻度で行います。 ポケットタイプ以外の補聴器で使用する空気亜鉛電池の場合、 電池の取扱いにはいくつか注意点があるため、 交換方法についてご紹介したいと思います。

電池のプラス面に貼られているシールを剥がします。 この時、 剥がしたシールののりがプラス面に残っていないかを確認しましょう。シールをきれいに剥がせたら、 数十秒ほど置き、 その後補聴器に入れます。

とても簡単なように感じるかもしれませんが、 いくつか注意点があります。

  1. 空気亜鉛電池は、 製造から 2 年間が使用推奨期限となります。 使用推奨期限を過ぎてしまうと、 電池性能を最大限発揮することができず、 初期電気容量が少なくなる可能性があります。 全く使えなくなることはありませんが、 必要以上の買いだめはおすすめしません。
  2. シールが貼られている電池の表面には、 小さい空気孔があります。 この穴を塞がないようにするために、 電池に触れる時に指の汗 ・ 汚れなどが付かないように気を付けましょう。
  3. シールを剥がしてしまうと、 電池は放電をし始めてしまいますので、 一度使用を始めたらできるだけ使い切るように意識しましょう。 万が一、 補聴器を長時間使用しないという場合には、 必ず電池を補聴器から取り出しておいてください。 長い間入れたままにしていると、 液漏れをしてしまう可能性があります。

補聴器と集音器の違い

Wooden toy block with printed question mark on top viewed from above on textured grey leather with copy space

補聴器と似たような役割をもつ、 集音器をご存知でしょうか。 集音器は、 補聴器よりも低価格で比較的手に入れやすいことから、 補聴器ではなく、 集音器の購入を検討している方も多いと思います。
では、 補聴器と集音器は何が違うのか、 どのような特徴があるのかを、 ご紹介していきます。

医療機器かどうか

補聴器と集音器は、 医療機器であるかないかで区別されています。
医療機器として認可されるには、 厚生労働省が定めている効果や安全面において、 一定の基準をクリアする必要があります。補聴器は、 薬事法において管理医療機器 (クラスⅡ) に分類されており、 製造や販売をする際に、 「管理者の設置を義務付けて販売をする」、 「個別の製品ごとに正式な認定を受ける必要がある」 など、 制限が定められています。 つまり、 補聴器と名前の付いている商品は、 効果や安全性についてある程度認められている商品になります。

反対に、 集音器は医療機器として認可されていないため、 製造や販売についても基準がなく、 誰でも製造 ・ 販売が可能な商品です。 補聴器と比較すると、 比較的簡単に手に入りやすいのが特徴です。

性能

補聴器と集音器を性能面で比べると、 補聴器が圧倒的に高性能だとされています。

同じ補聴器でも、 製品の種類によって性能は異なりますが、 周りの雑音を抑える ・ 特定方向から聞こえる音を聞き取りやすくする ・ 突然なる大きな音を抑えるなど、 様々な機能があります。 補聴器は使う人の耳の状態に合わせて調整を行うこともできます。

集音器は、 音を大きくする機能しかありません。 つまり、 小さくて聞こえにくい音は大きくすることができますが、 使用する人に合わせて少しずつ調整を行うということはできないのです。 また、 急に大きな音が鳴った際に、 対応できず耳を傷つけてしまう可能性があります。
似ているようで、 違いの大きい補聴器と集音器ですが、 どちらを購入するのがベストであるか絶対的な正解はありません。

しかし、 「補聴器と集音器は全く異なるものである」 ということを頭に入れて、 使用することが大切です。
集音器を使用してもあまり聞こえが改善されない場合、 補聴器を使用しても意味がないと考えてしまう方も多いのですが、
先程もご紹介した通り、 補聴器と集音器は別物なので、 もし集音器を使用して効果がないと感じても、 補聴器を使用することで、 聞こえを改善できる可能性もあります。 聞こえ改善のチャンスを逃さない為にも、 一度、 補聴器を試してみてください。

価格

補聴器と集音器の価格を比較してみると、 補聴器は 10 万円前後で購入できるものが多いのに対し、 集音器は 1 万円前後で購入することができます。 補聴器と集音器は似た役割を担っていますが、 性能は補聴器の方が優れているため、 性能の差によって金額にも差が出ています。

助成金について

補聴器によっては、 助成金 ・ 補助金を利用することができる場合もあります。 補聴器を購入する際の負担額が少なく済むため、 金銭面で不安を感じている方におすすめです。

補装具費の支給

補聴器は、 法律で補装具として定められています。 補装具費の支給を受けるためには、 「身体障害者福祉法によって定められている障害程度に該当している」 と認定をされることが必要です。 基本的に、 法律に当てはまる聴力障害をお持ちの方が対象となります。

では、 支給の手続きの流れについて、 ご紹介します。
まずは、 身体障害者手帳を取得する必要があります。

  1. お住まいの市区町村の、 福祉事務所や身体障害者福祉課窓口にて、 相談。
  2. 指定されている耳鼻咽喉科判定医に診察 ・ 検査をしてもらい、 手帳交付の意見書を交付してもらう。
  3. 「手帳交付の意見書」 などの各書類を福祉課へ提出。 身体障碍者手帳の交付申請を行う。
  4. 障害の程度に合わせた等級の身体障害者手帳が交付される。

補聴器を購入する

身体障碍者手帳が交付されたら、 いよいよ補聴器を購入します。

  1. 指定の耳鼻咽喉科判定医に、 補聴器支給の意見書を交付してもらう。
  2. 総合支援法取扱店舗にて見積書の作成を依頼する。
  3. 身体障碍者手帳 ・ 申請書 ・ 補聴器支給の意見書 ・ 見積書を福祉課窓口へ提出し、 補聴器の支給申請を行う。
  4. 補聴器支給について判定後、 支給が認められた場合は、 補装具費支給券が郵送される。
  5. 補装具費支給券と印鑑を持って、 指定の補聴器販売店舗にて補聴器を受け取ることができる。

万が一、 補聴器の修理が必要だと感じた場合には、 同様の手続きを行うことで、 修理費用の支給を受けることも可能になります。
ここまでが、 補装具費支給券を利用した、 補聴器の購入方法になります。
※この補助制度の場合、 指定された補聴器販売店舗のみの購入となります。

各自治体の補助金制度

先程ご紹介した補助金以外にも、 各自治体が独自に補助を行っている場合もあります。ここでいくつか補助金制度の例についてご紹介いたします。

東京都新宿区 (補聴器の支給)

年齢条件70 歳以上
内容補聴器 (「耳かけ式」 又は 「箱型」 のどちらか) を支給

障害者の制度で支給されている方は除く。
利用者負担 2,000 円

千葉県浦安市 (補聴器の購入費助成)

年齢条件65 歳以上
内容35,000 円を限度に助成

聴覚障がいにより身体障がい者手帳の交付を受けている方を除く医療機関として認定されている補聴器のみ対象となる
医師の証明書 (市指定の様式)

愛知県北名古屋市 (難聴高齢者補聴器購入費補助)

年齢条件70 歳以上
内容70 歳以上で身体障害者 6 級以上と医師が診断した方

身体障害者福祉法による補聴器の給付を受けている方は除きます
・購入費 60,000 円以上の場合 30,000 円
・購入費 60,000 円未満の場合 購入費の半額

福岡県粕屋町 (補聴器購入補助事業)

年齢条件65 歳以上 (補聴器購入補助事業)
内容補聴器購入費の一部を補助する

住民税非課税世帯のみ
加齢による難聴のため医師の判断で補聴器が必要となった方

以上の通り、 年齢はもちろん、 条件についても様々で、 補助金の金額も異なります。
また、 各自治体によって行っている場合と行っていない場合に分かれるため、 まずは一度各自治体に確認してみてください。

助成金が使用できる補聴器

助成金が使用できる補聴器は決められていることも多く、 どの補聴器でも助成金を使用できるというわけではありません。
また、 店舗で購入する場合は補助金制度を利用することができても、 インターネットで購入する際に、 補助金制度を利用することができない場合があります。 そのため、 インターネットで補聴器を購入する際に、 補助金を利用したいと考えている場合は、 必ず利用することができるのかどうかなど、 しっかりと調べてから購入する必要があります。

まとめ

今回は、 補聴器についてご紹介させていただきましたが、 いかがでしたか。
〝聞こえ〟が改善されれば、 これから過ごす日常も変わり、 日常が変われば心も晴れます。 価格も安いものではなく、定期的にお手入れをするなど、 大変な部分もあるかもしれませんが、 楽しい会話のためだけではなく、 危険に気付くためなど、 なくてはならない存在になるはずです。
ぜひ自分に合う補聴器を見つけて使用してみてください。

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